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『NEW SPACE ORDER』の世界
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ショートストーリー (2/8)
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Error 40452. Overflow "Extended Special Psychic-power".
FEDCON-5 D.B. Module-3 connection lost.
Kill PROCESS.
O.R.B.S. cockpit system "E" version0.32b shutdown now――


ブルースクリーンに浮かび上がった無機質な現実が、まどろんだ意識を夢の世界から引きずり戻す。
首筋に貼り付けたコフィンプラグを剥がしながら、私はコクピットルームの扉を開いた。

「主任、お疲れ様です!」

同時に飛び込んできた照明の明るさに、思わず目をくらませる。
こちらがそんなことをやっている間に、私の部下でもある研究員の青年が足早に近寄ってきた。

途中、私の顔を見てぎょっとしている。
……失礼な子だ。それとも、今の私はそんな酷い顔をしているのだろうか。

「残念でしたね、主任。オペレーション開始後、仮想時間にして38hまでは理論値ともほとんど差はなかったんですが……」

「何を言っているの。その先の領域こそが、私たちに課せられた課題なのよ? リポートが想定している標準観測航宙距離は10000C.L.。シミュレータでパイロットの顕現力を6000M.P.にまで拡張してこの成果なら、いったい誰がまともに扱えるっていうのよ!」

「そんなに怒鳴らないで下さいよ。ほら、たとえばあのハイニック大佐あたりなら……」

「現在の絶対顕現力保持者で、パーフェクトへの足がかりとすら言われている、あの超人? そんな英雄を一介の航宙機乗りにできるほどU.G.S.F.が人的資源に恵まれているなら、初めからこんな研究は要らないわね」

私が感情にまかせて言葉をぶつけると、彼は一度だけ肩をすくめてから、無言のまま立ち去っていった。

……頭が、痛い。

収まらない鈍痛が、脳内のシナプスをぶつ切りにしている。
まるで、思考に枷をはめられたようだった。

私は、痛む頭ではなく、プラグをつけていた首筋の方へと手を当てる。
E.S.P.リミッター――E.S.P.の過剰使用に伴う警告として送り込まれる疑似痛覚は、実際には生体に何の影響も与えない。
それでも、幾度となく撃ち込まれたその感覚は、私の体力と精神力を確実に奪っていた。

苛立ちと頭痛、そしてわずかに残った星海の余韻を振り切るために、私は自分が今いる場所を確認する。

恒星テオゴニアを中心として周回するコスモ=ラグーン星系。
U.G.つまりは我らが民主連邦の母星でもある、その第4惑星ガイア。
ここは、ガイア地殻上に構築された首都、ユナイテッド・ギャラクシー特別区――通称キャピタル・ハイニックの地下第32階層にある、U.G.科学技術庁開発三部。
より正確に言えばそのうちの一画を占める、私の研究室であった。

清潔すぎる空間。
一方で、粗雑に散らかった床の上の機械部品。
そして、お決まりのオフホワイトで統一された無機質で飾り気とも無縁な壁と天井。
そこで私は試作段階のO.R.B.S.コクピットシステムへと乗り込み、シミュレータ上の銀河を旅していたのだった。

私は、そばの壁へと背を預けると、これからの研究について思案するべく頭を動かす。

(まさか、単純な航続距離の延伸がこれほど難航するとは思わなかった。原型となった機体が単独でのハイパードライブ装備まで内蔵していたことも、今でなら少しは納得できるわ。こんな高出力砲装備型の格闘戦術機をアウトレンジ仕様に転用する試み自体、初めから無理があったのかもしれない……いいえ)

気が付けば弱気になっていく思考を、頭を振って無理矢理に追い出す。
私は、ガラス張りとなった壁の向こうを覗き見た。
それは、あのO.R.B.S.が収まるべき本来の場所。
私のチームが手がけている試作実験機――そのテストデッキとなっていた。

銀の剣

何度見ても息を呑む――
そこに鎮座しているのは、大いなる力を秘めた銀の剣だ。

開発コード『GEO-SWORD a2』

言わずとしれたU.G.S.F.の戦史上に名高い名機中の名機、ジオソード。
これはその魂を受け継ぐべき、ジオシリーズの新世代型である。

文字通り、肉厚の西洋剣を思わせる流線型のシルエット。その独特の形状は、前面被弾経始上の都合から自然と生み出されたものである。

最終的な量産型ではこの機体ブロックに、エンジンブロックと、パージ可能な武装ブロックを組み合わせる形で運用される。
それはソード・スタイルと呼ばれる、ジオシリーズの基本構想のひとつでもあった。戦局に合わせた自在度の高いセッティング性と、ブロックの共通化による生産性の向上。だが、ジオシリーズ本来の幾何学的な美しさを損なわせる無骨なブロックの存在は、私のような純粋な技術者にとっては眉をひそめたくなる部分でもあった。

標準主兵装は、専用のシーカーユニットと組にした長砲身荷電粒子砲。換装対象となる武装ブロックのバリエーションには、亜光速実体弾から反物質粒子弾までと、幅広い兵装がそろっている。
いずれも、単機で艦を十分に落とせるだけの高出力砲だ。そのための発射エネルギーは、エンジンブロックから直結で供給されている。

かつて、機動惑星レッドアイの迎撃戦――すなわち、あの「オペレーション・スターブレード」において、その名は一躍有名となった。

4チーム、わずか20機のジオソードが敵防衛網をかいくぐり、レッドアイの動力源である「オクトパス」に潜入。そのエネルギー集中点であるパワーストーンを見事に破壊した機動性と局地的攻撃力は、航宙機乗りたちの間ではいまだに語りぐさとして伝えられている。

現在のU.G.S.F.における、航宙機という兵器カテゴリの代名詞。


……そしてその名機こそが、他ならぬ私の悩みの種であった。


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